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国別輸出ガイド

ベトナムへ輸出するには?

若い人口構成と高い成長性を持つベトナムへの輸出をお考えの日本企業向けに、日越EPA・CPTPP・RCEPの使い分け、規制対応、バイヤー発掘までを解説します。

要点まとめ

ベトナムは若い人口構成と着実な経済成長を背景に、消費市場としての存在感を高めている新興国です。日本とは日越EPA・CPTPP・RCEPと複数の経済連携協定が併存し、品目ごとに最も有利な協定を選択できる点が輸出上の大きな利点です。日系製造業の集積が厚く、部品・素材・生産設備などのB2B需要に加え、現地日系工場向けの資材供給という安定した販路も存在します。消費財では、日本製品は品質・安全性への信頼が厚く、化粧品、ベビー用品、食品、日用品などで支持を得やすい土壌があります。都市部を中心にECとSNSコマースが急速に普及しており、中間層の拡大とともに日本ブランドへの需要は広がる傾向にあるとされます。

市場概要

ベトナムは若い人口構成と着実な経済成長を背景に、消費市場としての存在感を高めている新興国です。日本とは日越EPA・CPTPP・RCEPと複数の経済連携協定が併存し、品目ごとに最も有利な協定を選択できる点が輸出上の大きな利点です。日系製造業の集積が厚く、部品・素材・生産設備などのB2B需要に加え、現地日系工場向けの資材供給という安定した販路も存在します。消費財では、日本製品は品質・安全性への信頼が厚く、化粧品、ベビー用品、食品、日用品などで支持を得やすい土壌があります。都市部を中心にECとSNSコマースが急速に普及しており、中間層の拡大とともに日本ブランドへの需要は広がる傾向にあるとされます。

市場特性とトレンド

ベトナムは平均年齢が若く、ホーチミン(南部)とハノイ(北部)の二大都市圏を中心に消費市場が拡大しています。南部は開放的で新製品への感度が高く、北部は慎重でブランドの信頼性を重視する傾向があると言われ、地域ごとの販売戦略が有効です。スマートフォンの普及によりShopeeやLazadaなどのECプラットフォーム、FacebookやTikTokを通じたソーシャルコマースが購買行動の中心になりつつあります。日本製品は「高品質・安心」のイメージが浸透しており、化粧品・母子用品・食品分野で選ばれやすい一方、価格感度は依然として高いため、容量や価格帯の現地最適化が成否を分けます。

主要規制および認証

ベトナムでは品目ごとに輸入時の許認可・登録制度があります。化粧品は保健省への公布(届出)手続きが必要で、現地の責任会社を通じて申請します。食品は自己公布または登録公布の制度があり、品目により求められる書類が異なります。医療機器は分類に応じた登録が必要です。電気電子製品はTCVN(ベトナム国家規格)への適合やCRマークの対象となる場合があります。ベトナム語ラベルの貼付は輸入品全般の基本義務です。規制は運用変更が比較的頻繁なため、現地輸入者・専門コンサルタントと連携し、最新要件を必ず確認してから出荷することをお勧めします。

ビジネス文化および商慣習

ベトナムのビジネス文化では、対面での関係構築と相互の信頼が重視されます。日本と同様に年長者や役職への敬意を払う文化があり、丁寧な姿勢は好意的に受け止められます。一方で意思決定はトップダウン型が多く、決裁権者と直接会うことが商談の進展を早めます。日本企業・日本製品への信頼は総じて高く、対日ビジネスの経験を持つ人材も多いため、他の新興国と比べ商談のハードルは低いと感じられる場面が多いでしょう。ただし、口頭合意だけで進めず、価格・納期・支払条件を契約書で明確化することが不可欠です。連絡手段はメールに加えZaloなどのメッセージアプリが広く使われます。

バイヤー発掘戦略

JETROはハノイ・ホーチミンに事務所を置き、商談会の開催、現地流通・規制情報の提供、パートナー候補の紹介などの支援を行っています。現地開催の国際見本市(食品、美容、産業機械などの分野別展示会)への出展は、輸入商・流通業者との接点づくりに有効です。日系商社や現地の有力ディストリビューターとの提携は、規制対応と代金回収の両面でリスクを抑えられる現実的な参入形態です。B2Bでは、ベトナムに進出している日系メーカーの購買部門やその協力会社網へのアプローチが有力で、日系サプライチェーンの存在は日本の中小企業にとって大きな足がかりとなります。ECではShopee・Lazadaの越境販売枠を活用したテスト参入も選択肢です。

通関手続きおよび物流

日本からベトナムへの海上輸送は、ホーチミン(カットライ)やハイフォンまで1〜2週間程度が目安で、航空便なら数日で到着します。通関では、インボイス・パッキングリスト・船荷証券に加え、品目ごとの許認可書類や原産地証明書(協定税率を使う場合)が必要です。HSコードの分類や申告価格を巡って税関と見解が分かれるケースがあるため、現地事情に通じた通関業者・フォワーダーの起用が重要です。ベトナム語ラベルの不備は通関遅延の典型的な原因なので、出荷前の確認を徹底しましょう。南北に長い国土のため、ホーチミンとハノイの双方をカバーするには現地物流網を持つパートナーとの連携が有効です。

価格戦略および決済条件

ベトナムは成長市場である一方、価格感度が高く、周辺国製品や現地製品との競争もあります。日本製品は品質プレミアムが受け入れられやすいものの、中間層向けには容量・仕様を調整した現地向け価格帯の設計が有効です。決済は新規取引ではT/T前受け(全額または一部前払い)を原則とし、実績に応じて条件を緩和していくのが安全です。大口取引ではL/C(信用状)の活用も検討できます。NEXIの輸出保険を併用すれば代金回収リスクに備えられます。ベトナムドンの為替変動も踏まえ、建値通貨(通常は米ドル建てが一般的)と価格改定条件を契約で明確にしておきましょう。

マーケティングおよび現地化戦略

ベトナムの消費者に届くマーケティングの主戦場はSNSです。Facebookの利用率が非常に高く、TikTokやZaloも重要チャネルで、KOL・インフルエンサーによるレビューが購買に強く影響するとされます。「日本製」「日本品質」の訴求は有効ですが、模倣品や並行輸入品との差別化のため、正規品であることの証明(正規販売店表示、QRコードによる真贋確認など)が信頼獲得につながります。製品説明・パッケージのベトナム語化は基本で、現地の生活習慣や気候(高温多湿)に合わせた使用提案も効果的です。価格プロモーションが活発な市場のため、ブランド価値を毀損しない販促設計を現地パートナーと擦り合わせることが大切です。

EPA・関税特典の活用

日本とベトナムの間では、日越EPA、CPTPP、RCEP、さらにAJCEP(日ASEAN包括的経済連携)と複数の協定が併存しており、品目ごとに最も有利な協定を選択して適用できます。協定により関税削減のスケジュールや原産地規則が異なるため、自社製品のHSコードごとに各協定の税率を比較することが重要です。協定税率の適用には原産地証明書の取得(または自己申告制度の利用)が必要で、協定ごとに手続きが異なります。多くの品目で関税の撤廃・削減が進んでいるとされますが、具体的な税率は必ず最新の税率表でご確認ください。日本商工会議所やJETRO、通関業者が原産地手続きの相談先となります。

ビジネス文化

対面での関係構築と信頼を重視意思決定はトップダウン型が多い日本製品・日本企業への信頼が総じて高い契約書での条件明確化が不可欠Zaloなどメッセージアプリでの連絡が一般的

バイヤータイプ

近代的流通チェーン

イオンなどの日系を含む大型スーパー、コンビニエンスストア、ドラッグストアなどの近代小売です。都市部の中間層にリーチでき、日本製品の取り扱いにも積極的な業態が多い一方、上場料や販促費の負担、返品条件などの取引条件を事前に精査する必要があります。

専門輸入商・ディストリビューター

化粧品・食品・産業財など分野特化型の輸入流通業者で、許認可取得・通関・現地営業までを一貫して担える参入パートナーです。独占販売権を求められることが多いため、対象地域・チャネル・期間・最低購入数量を契約で明確にし、公布名義の帰属も確認しておくことが重要です。

ECプラットフォームセラー

ShopeeやLazada、TikTok Shopなどで販売するオンラインセラーです。少量からのテスト販売が可能で市場の反応を素早く確認できますが、価格競争が激しく模倣品対策も必要です。正規流通であることを示すストア認証やブランド登録の活用が推奨されます。

ビューティー・ヘルス専門流通

化粧品専門店チェーンや薬局系チャネルを持つ流通業者です。日本のスキンケア・ヘアケア製品への関心が高く、店頭でのカウンセリング販売を通じてプレミアム価格帯でも展開しやすいのが特徴です。公布手続きの主導経験があるパートナーを選ぶと立ち上げが円滑です。

日系製造業の購買部門

ベトナムに進出した日系メーカーおよびその協力会社の調達部門です。生産用の部品・素材・副資材・設備などを現地調達または日本からの輸入で賄っており、日本品質への理解が深いため商談が進めやすい販路です。安定した繰り返し受注につながりやすく、B2B参入の有力な入口となります。

物流情報

所要期間

海上:日本主要港からホーチミン・ハイフォンまで1〜2週間程度が目安。航空:数日

予想運送費

海上運賃は市況・時期により変動します。小口貨物は混載(LCL)の活用も選択肢で、複数のフォワーダーからの見積もり比較を推奨します

決済方法

T/T前受け(新規取引の原則)L/C(信用状、大口取引)T/T後払い(実績のある取引先に限定)NEXI輸出保険との併用によるリスク管理

よくある質問

A. 日越EPA・CPTPP・RCEP・AJCEPが併存しているため、まず自社製品のHSコードごとに各協定の税率を比較し、最も有利な協定を選びます。次にその協定の原産地規則を満たすかを確認し、日本商工会議所での原産地証明書の発給、または協定によっては自己申告制度を利用します。協定により規則と手続きが異なるため、初回はJETROや通関業者、商工会議所に相談しながら進めることをお勧めします。証明書類は一定期間の保管義務がある点にもご注意ください。

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