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メキシコ、サウジ、米国——日本の原油調達先が急に増えた『本当の理由』は、日本側にはない

# メキシコ、サウジ、米国——日本の原油調達先が急に増えた『本当の理由』は、日本側にはない 先日、ある化学品メーカーの海外営業担当の方とオンラインで話していたときのことです。 > 「最近、原油の調達先がやたら多角化してるじゃないですか。うちも原料コストに直結するから気にしてるんですが、あれって日本政府が頑張った

GRINDA AI
2026. 5. 6.
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メキシコ、サウジ、米国——日本の原油調達先が急に増えた『本当の理由』は、日本側にはない

メキシコ、サウジ、米国——日本の原油調達先が急に増えた『本当の理由』は、日本側にはない

先日、ある化学品メーカーの海外営業担当の方とオンラインで話していたときのことです。原油調達の多角化が進む背景について、意外な事実が見えてきました。

「最近、原油の調達先がやたら多角化してるじゃないですか。うちも原料コストに直結するから気にしてるんですが、あれって日本政府が頑張ったんですかね?」

正直、私たちも最初はそう思っていました。 エネルギー安全保障の強化、調達先の分散――日本側の戦略的な判断だろう、と。

ところが、データを丁寧に追っていくと、まったく違う景色が見えてきたんです。 調達先が増えた最大の理由は、「売り手側」の事情にありました。

原油調達の「多角化」を数字で見る実態

経済産業省・資源エネルギー庁が公表している「エネルギー白書2024」によると、2023年度の日本の原油輸入に占める中東依存度は**約95%**です。

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「95%で多角化?」と思われるかもしれません。 ただ、注目すべきはその内訳の変化です。

2018年度にはサウジアラビアとUAEの2カ国だけで全体の約60%を占めていました。 それが2023年度には、サウジ約39%、UAE約33%と、依然として大きいものの、クウェート、カタール、そして中東以外のメキシコ、エクアドル、米国からの輸入量がじわじわと増えています。

資源エネルギー庁の月次統計を見ると、2023年にメキシコからの原油輸入が前年比で約2倍に増えた月もありました。 米国産原油(主にWTI系のシェールオイル)も、2015年の米国原油輸出解禁以降、少量ながら日本向けの出荷が定期的に発生しています。

ここで疑問が生まれます。 なぜ、急にこうした「非・伝統的な供給元」からの原油が日本に届くようになったのか。

売り手側に起きた3つの構造変化——海外営業の視点で読む

OPECプラスの「自主減産」がもたらした玉突き

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2023年以降、OPECプラス(OPECとロシアなど非OPEC産油国の協調体制)は段階的に自主減産を強化しています。 サウジアラビアは2023年7月から日量100万バレルの追加自主減産を実施し、2024年に入っても延長を続けました(OPEC公式発表ベース)。

減産とは、単純に「出せる量を絞る」ということです。 サウジが自ら供給を減らせば、日本の元売り各社は足りない分をどこかで調達しなければなりません。

ここで登場するのが、OPECに加盟していない、あるいは減産の枠組みに縛られにくい国々です。 メキシコ、米国、ブラジル、ガイアナ——こうした国が「空いた棚」を埋める形で、アジア市場に原油を売り込んできています。

つまり、日本が能動的に調達先を広げたのではなく、従来の供給元が「出し惜しみ」した結果、別の売り手が隙間に入ってきた。 これが構造変化の第一の柱です。

米国シェール革命の「輸出フェーズ」と輸出戦略

もう一つ見逃せないのが、米国の変化です。

米国は2015年まで、40年間にわたって原油の輸出を法律で禁止していました。 解禁後、米国産原油の輸出量は急増し、EIA(米国エネルギー情報局)によれば2023年の平均輸出量は日量約420万バレルに達しています。

米国の原油は、中東産と性質が異なります。 軽質・低硫黄のシェールオイルが中心で、日本の製油所でも一部のグレードは処理が可能です。

ポイントは、米国の原油生産者が「売り先を積極的に探している」フェーズにあるということです。 アジアのプレミアム市場(日本・韓国・インド)は、彼らにとって魅力的な販売先であり、まさに輸出戦略の中核に位置しています。

日本の精製会社にとっても、スポット市場で米国産やメキシコ産の原油が競争力のある価格で出てくれば、試しに買ってみる合理的な理由があります。

地政学リスクの「見えない圧力」

3つ目は、ロシア・ウクライナ情勢の影響です。

資源エネルギー庁のデータによると、日本のロシア産原油の輸入比率は、2021年度の約3.6%から、2023年度にはほぼゼロに近い水準まで低下しました(サハリン2由来のLNGは別の話です)。

ロシア産を避ける分、他の供給ソースを見つける必要がある。 これは日本側の意思決定ですが、きっかけを作ったのはやはり供給サイドの地政学的変動です。

要するに、原油調達先の多角化は「日本のエネルギー戦略が賢くなった」というよりも、「世界の原油市場の供給構造が変わり、日本はその波に適応した」という方が実態に近いんです。

これが海外営業に「どうつながるのか」

ここまで読んで、「原油の話は分かったけど、うちの仕事と何の関係があるんだ」と思った方もいるかもしれません。

実は、この構造変化には海外営業やB2B営業に携わる方に共通する教訓が含まれています。

「売り手の事情」で市場は動く

日本企業が海外に製品を売るとき、私たちは「どう売るか」「どの国を狙うか」を考えます。 でも実際には、**買い手の調達行動を変えるのは、多くの場合「他の売り手の動き」**です。

原油市場がまさにそうでした。 サウジが減産したから、メキシコ産にチャンスが生まれた。 ロシアが排除されたから、米国産が入り込めた。

これは製造業のB2B営業でも同じことが起きます。 例えば、ある東南アジアの現地バイヤーが、長年付き合っていた中国サプライヤーから品質トラブルが続いたとします。 その瞬間、そのバイヤーは初めて「日本製」の見積もりを真剣に検討するようになる。

そして、ここが肝心な点です。この「棚が空く瞬間」は、東南アジアのバイヤーとの日常的な接点を持っていなければ、そもそも気づけません。展示会に年1回出るだけでは、情報が届くタイミングがずれてしまうことがほとんどです。

冒頭でお話しした化学品メーカーの担当者も、その後こんなことをおっしゃっていました。「タイのバイヤーとオンラインで接点を作った直後に、そのバイヤーが中国サプライヤーとの取引を見直すタイミングが重なって、初めて正式な引き合いが来たんです」と。タイミングは偶然ではなく、継続的に「存在を知らせ続けていた」からこそ掴めたもの、だったんですよね。

こうした東南アジア市場での「棚が空く瞬間」を察知するには、現地バイヤーのデータや動向を継続的に把握する仕組みが必要になります。バイヤー発掘から営業アプローチの自動化まで、一連のプロセスをどう仕組み化するかが、これからの海外営業の核心になりつつあります。

海外バイヤーデータを活用して東南アジアの卸業者と接点を作った事例を見ていても、共通しているのは「急に問い合わせが来た」のではなく「以前から継続的にアプローチしていた先からの返信だった」というパターンです。市場の変化を待ちながら、存在を知らせ続ける——この両輪が機能していた企業だけが、棚が空いた瞬間に滑り込めています。

「棚が空いた瞬間」に並んでいるかどうか

原油の話に戻ると、メキシコが日本市場でシェアを伸ばせたのは、メキシコが日本に猛烈な営業をかけたからではありません。 サウジの棚が空いた瞬間に、メキシコの原油がすでにスポット市場に出ていたからです。

海外営業でも、この「棚が空いた瞬間に、そこにいる」ことが決定的に重要です。

展示会に年1回出て、あとは待つ——という動き方では、棚が空いたタイミングを捕まえられません。 コールドメールなりオンラインでの情報発信なり、何らかの形で「存在を知らせ続ける」仕組みが要ります。

これは大企業だけの話ではなく、むしろ中小企業にとってこそ意味のある話です。 大企業はブランドで認知されていますが、中小企業は「そこにいること」自体が最大のハードルですから。

海外進出の「なぜ今か」を読む力

最後にもう一つ、この原油調達の話から引き出せる視点があります。

日本企業の方とお話していると、「海外進出のタイミングが分からない」という悩みをよく聞きます。

原油市場の事例が示しているのは、タイミングは自分で作るものではなく、**「外部環境の変化を察知して、素早く動けるかどうか」**で決まるということです。

JETROの「2023年度日本企業の海外事業展開に関するアンケート調査」では、輸出拡大を検討している中小企業の約46.0%が「現地の市場情報の入手が困難」を課題に挙げています。

市場情報とは、マクロ経済の数字だけではありません。 「あの国の、あのバイヤーが、今まさに新しいサプライヤーを探している」——そのレベルの情報を、いかにリアルタイムに近い形で掴めるかが分かれ目です。

原油市場では、トレーダーが毎日スポット価格と各国の生産動向を見ています。 製造業の海外営業でも、似たような「市場の体温」を測る仕組みが、これからはますます必要になるはずです。

まとめ

日本の原油調達先が広がっている。 一見すると日本側の戦略に見えるこの変化は、実際にはOPECの減産、米国の輸出解禁、ロシアの排除という「売り手側の構造変化」が引き起こしたものでした。

ここから海外営業に持ち帰れるポイントは3つです。

  1. 市場の動きを変えるのは、多くの場合「他の売り手」の事情
  2. 棚が空いた瞬間に「そこにいる」ことが受注の前提条件
  3. 「なぜ今か」を外部環境から読み取る情報収集の仕組みが不可欠

エネルギー市場と自社の製品はまったく違うように見えて、「供給の隙間を突く」という原理は同じです。 皆さんの業界では、今どんな「棚」が空きかけているでしょうか。


次回予告: 次回は「東南アジアで今バイヤーが探している日本製品カテゴリ——展示会では見えない、オンライン問い合わせデータの傾向」をお届けします。バイヤーデータから見えてきた、意外なカテゴリについて共有します。次回もお楽しみに。


こうした市場の変化に対応するには、現地のニーズを的確に捉えた海外営業が欠かせません。

Rindaでは、こうした市場変化の察知に役立つバイヤーデータを提供しています。詳細はこちらから。

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よくある質問(FAQ)

Q1. 海外営業で「棚が空いた瞬間」を見つけるには、具体的にどうすればいいですか?

競合サプライヤーの動向(品質問題・納期遅延・撤退情報)を定期的にモニタリングすることが第一歩です。業界ニュース、現地バイヤーとの定期的なコンタクトを継続することで、リアルタイムに近い情報を掴みやすくなります。実際に、あるバイヤーデータを活用した食品メーカーの担当者は、東南アジアの卸業者が中国サプライヤーとの取引を見直したタイミングを察知し、接触から3ヶ月以内に正式な引き合いへとつなげた、という形でタイミングを掴んでいます。

Q2. 中小企業でも原油市場のような構造変化を海外営業に活かせますか?

はい、むしろ中小企業の方が機動力を活かしやすい場面があります。大企業が対応に時間をかけている間に、小回りの利く中小企業がスポット的なニーズに素早く応えられるケースは多くあります。重要なのは、海外進出の準備として「存在を知らせ続ける」仕組みを持っておくことです。

Q3. 海外営業とB2B営業の戦略で、原油調達の事例から学べる最大の教訓は何ですか?

「自社の努力だけで市場は動かない」という点です。市場を動かすのは外部環境の変化であり、その変化を察知して「空いた棚」に素早くポジションを取れるかどうかが、輸出戦略の成否を分けます。受動的な待ちの姿勢ではなく、常にアンテナを張りながら準備を整えておく能動的な体制が求められます。


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